可聴域の細部まで調べる(5)

  いよいよ本稿の目的であるスピーカーケーブルによる音質差のデータ−化に挑戦してみよう。

  まあxrcdの差別化やアンプの差別化は幸いうまく行ったので、ケーブルで失敗しても別に
ダメージという程のこともないので気が楽である。



   パワーアンプは何にするか?山水のAU-α607MOS PREMIUMにする。

  ケーブルは少し出費してもう少し用意する。だから少々お待ちください。


  いやあ参りました。時間があったので半導体アンプ同士で比較してみたところ、差が全く
出ないのです。



  拡大


  この組あわせは何度も試聴で差は確認しましたし、クオリティが三段階も違うとか言った気もします
ので、この結果は衝撃的です。


  測定データはWAVファイル化してあるので、翌日冒頭2秒75のベルの音を比較してみると、






  重ね合わせ


  このように差が見られます。



  完全に時間を合わせられないので、少し追い越したところも示しておきます。

  これなら音の差はあると言えそうです。



  1分25秒のシンバルの部分です。極近傍のスペクトルを見ます。









  それほど差が出ません。まここは音に埋もれているので耳で聴き分ける以外に
はなさそうです。



   高域はスペクトル、低域は速度特性で見ればケーブルの差も検出できるかもしれません。

   冒頭のベルの音の部分は絶妙の場所です。

   これは高域が本当に出ているどうかはサインスイープではわからないということを示唆する貴重な
  データです。聴感ではアンプによって高域の鳴りかたに差があることはつねづね感じられていたわけ
  でその謎が少し解けました。

   要するに連続サイン波は通しても、瞬間的な音に反応しないアンプはだめなアンプということです。

(つづく)