スケルトン2(オールFETピュアコンプリメンタリーSEPP V−FETアンプ)

   アルミL字アングルを買い込んでいるので有効利用のためにはアンプを作らなくてはならない。
虎の子のV−FETペアがあるのでこれで作ってみよう。究極のアンプといってよいかもしれない。
1ペアしかないので、もし途中で石が壊れたらMOS−FETアンプとして復活できる回路にする。

  なるべくシンプルに書いてみた。





  このようなものが考えられるが、歪率に差があるかもしれない。

  YMAHA B3のような音が得られるかもしれないが、どうなるかはやってみなくてはわからない。

  参考


  解説によると電源変動に対しアイドリングを一定に保つ回路を装備しているという。


  MOS−FETでしばらくの間稼動させる。






  安定したらV−FETを投入する。







  右がMOS−FET版。D−NFBアンプと音を比べてみた。位相、ゲインは同じにしてある。

  スピーカーに顔を近づけて右に寄ったり左に寄ったりする。驚くほど様相が異なる。右はスピーカーの周りに音の壁が感じられる
のにたいし左は何も無い。さらに左に寄ると楽器の音像がありとてもきれいに鳴っているのがわかる。音色は同等である。

  休憩してぼんやり聴いていると、ベルの音が左後ろで鳴った。急に音が飛んできたような感じだ。位相のいたずらだと思うが、後方で
鳴ったのは初めての経験である。ソースは矢野顕子ひとつだけの第14トラックである。

  こと音場に関しては次元が違うようだ。いろいろ聴いてゆくとこのコンビは透明度が半端ではない。音が柔らかくトランスペアレンシー
がさらに上がっている。アルバムがまるごと違ったように聴こえる。

  只者ではない。両方完成させるべくスケルトン3台目のシャーシを急遽製作することにした。



  HF−ESにミッシェルをLPから録音したのをカーステレオで聴きながらアルミアングルを買いに行った。そのときに思いついた
回路がこれである。線形増幅講座の極めつけのような回路だ。

  HF−ESの音はオープンテープのノスタルジアを感じさせる。


「ミッシェルの回路」




  右がミッシェルの回路。アイドリング68mA。






  聴き比べてみるとまたまた差が出た。今度は左に音の壁が出現した。つまり左は生硬で平面的に鳴るが右は三次元的
で柔らかく精密な感じがする。立場が逆転するとは、・・・・笑える。パスコンは同じなので素子の差だろう。


 ミッシェルの回路の特性も見たし、あとは±40V電源でどのくらい出力が取れるかである。

  と思っていたがまず±27Vで始めよう。

  アイドリング 65mA





  ここまではうまくいった。バイアスを最初に一個につき−9Vくらいにしておくと安心である。


  音を聴くと、左右でやはり明らかな違いがある。MOSのほうがスパイスが効いている感じ。Vのほうは柔らかく立体的、本物の
感じがする。これだけ違うと音楽を大事にする人なら誰でもVを選ぶだろう。

  音色、スピード感はほとんど同じなので、ちょっとツンとくるけどMOSで我慢せよといわれたらできなくはない。



  ±40Vの電源につなぐ。ニチコンのGS−IVとショットキバリア ダイオードが使ってある。V2Aも投入したし考えうる最高の組み合わせ。



  
  アイドリング50mA


  V−FETはある程度の電圧をかければMOS−FETより低歪だ。スペクトル見ると歪の性質も良い。

  今回はV−FET完全対称の2台を出してきて比べてみた。完全対称のほうが若干良いような気がするが、
V−FETの味はほとんど全部持っていると思う。

  


参考 片ミッシェル

  作るかどうかは未定。