素晴らしすぎる帯域電圧負帰還
まず電流出力アンプの原器といえるものを作り(低歪み電流出力アンプ)、それに帯域電圧負帰還を
施す。
はたしてうまく行くだろうか?





面白い測り方なので紹介

このような定数に決定した。



抵抗負荷


スピーカー負荷

電流を見る

製作編


ゲイン50倍 Zo=1.9kΩ(オンオフ法)
http://homepage3.nifty.com/conlui/hp165.htm


アイドリングは50mAなのでこのままでも鳴っています。


これで1日中鳴らしても大丈夫です。
ハンドクラップの音楽などは対策なしで聴けます。これはかなり生々しいかも。
何枚か電流アンプにふさわしいCDを選んで試聴。
クラッピング ミュージック (スティーブ ライヒ)
100Hz付近は全く無いといってよいので好適。とても生々しい。
アーメンの幻影(メシアン)
生のピアノを聴いているような感じ。foは楽器の胴鳴りと思えば気にならない。
セイシェル(鳥の歌)
環境音にも100Hzは出てこない。気になるのはハムのみ。
THE ULTRA PERCUSSIONS (高橋美智子)
良いと思う。
悪い点
ちゃんとしたアンサンブルを聴くには不適です。梵鐘は鐘の音になりませんでした。
電流出力アンプの実力を見てみよう。
各周波数の4波バースト信号を裸のONZOW MFB20で再生、検出コイル電圧を記録します。
対照にMOS−FET電流正帰還アンプを選びました。
出力電圧/入力電圧がほぼ音圧ゲインと考えてよいかと思います。電流正帰還アンプは低域で音が小さくなり、
電流出力アンプでは盛大に鳴ることがよくわかるように、入力を揃えました。






音圧と波形再現性がこれほど違う2つのアンプも珍しいでしょう。
優れた電流アンプとは、それ自身の歪が少なく、スピーカーに制動を掛けず、ボイスコイル発熱の影響を
受けがたいというものですから、最初の2つは示せたかもしれません。
このユニットのfo=60Hzですから、波形をみるとだいたいそのような挙動をしめしています。20Hzでの
波形のみだれはこのアンプの特質なのか、電流アンプの特質なのかまだわかりません。
余談
この波形を見て電流正帰還アンプはこんなにすごいのかと思った人はアンプのことをよく知っている
人です。なぜなら普通のアンプではどんな高級なアンプでも両者の中間の特性を示すはずだからです。
音圧測定
FF85K バスレフ SONY ECM MS907 軸上8cm
HMA9500II

電流アンプ

比較

アンティークオルゴールのCD
HMA9500II

電流アンプ

出力電圧
HMA9500II

電流アンプ

MOS−FET電流正帰還アンプ

拡大

さていよいよ帯域電圧負帰還を掛けてみる。定数の変更はは680Ω、11μFといったところ。
音圧特性 FF85Kバスレフ

バランスは問題なくなった。高域は華やかなままである。
素晴らしすぎる?
その後音を聴きながら定数を変更
暫定回路

(2004.3.24)
使いこなし編
FOSTEX小口径フルレンジは全滅です。高域でききづらい状況になるようです。理由は
今のところ不明。
PIONEERのストレートコーンエッジレス8cmではまあまあ聴ける感じです。ハイ落ちの
ユニットが向いています。
FE203+5HH10では一聴して刺激感の無い音。よく聴くと素直でスムースな音がして
いると感じます。
低域は電磁制動なのでそのままバックロードで使えます。バランスは問題ないようです。
すべてのジャンルの音楽を楽しめます。
いろいろなCDを聴き進んでゆくとこれは間違いないという段階に到達します。
Two of a kind /Earl Kluh & Bob James
画像のコントラストを弱くすると隠されていた階調が現われますが、ちょうどそれと似たような音の変化が
楽しめます。
電圧出力アンプではいままで聴いたことの無い魅惑的な音です。ただし、この音を知らなければ電圧出力
アンプで不満を感じることはありません。一般の人はむしろ知らないほうが良いでしょう。
(この項終わり)