ディスクリートの森

  このデタッチャブル2という筐体を得てからディスクリートとモノリシックの世界がつながってしまった。
今はほの暗いディスクリートの森へ入ってゆく感じがしている。







   IC+バッファ回路の問題点

 電圧増幅段にオペアンプICを用いるとこのようにせざるを得ないが、


  オペアンプの内部にすでにバッファがあり重複してしまうのだ。


  できればこういうのが製品として入手できればいいのだがそうはいかない。






   これを手作りするとこのような組み方になる。VRが付いているのでバッファのオフセットにも対応できる。


 


  トランスリニアバッファが完成した。定数はシミュレーターで決定した。







  この音は衝撃的だ。柔らかで宝石のような美しい音。バイポーラでこんな音はZDRでは出せない。完全アンプ
なら辛うじて可能だろう。


  エミッタ抵抗を取ったダイアモンドバッファ






  これもハイパーボリックなカーブになっているようだ。何故そうなるかは次のような理由による。


  Vbeが向き合って直列につながっているエミッタフォロアではバイアス電圧を一定にすれば、
出力対称素子のコレクタ電流は必ずハイパーボリックな関係になる。つまりカットオフしない。


  上條氏のレプリカ回路




  これがもっとも単純な Io のループ制御回路になる。上條氏が取り組んでいたのはこれの
MOS FET版だ。FETにしても Q1 Q2 のおかげでベース電流で制御できる。



  ダーリントンだしエミッタ抵抗レスバッファの定番になるだろうか。






   デタッチャブル2に搭載して聴いてみた。トランスリニアバッファを受け継ぐ超スムーズな音。
上條氏のおかげで新世界が開けた。


  もうひとつ簡単な電圧増幅段を開発しておく。


  多く作っておくと何かと便利だ。

  レプリカバッファとの組み合わせ。






  上條氏のクロスシャント電圧増幅段


  電流デュプリケーターのような動作になっている。

  シミュレーターだとこうなる。



  参考  差動回路



  差動回路の方が直線性は良い感じがするのだが。ともかく趣味性の強い回路だ。音は作って聴いて
みなければわからない。







 
 オフセットが出ているがかまわず散歩のときに毎日聴いている。FET入力らしくきめが細かい。格調高い
メカニカルな音。からっと乾いた感じの音と言っても良いだろう。コンベンショナルな回路とは一味違うしコスト的
にも十分対抗できると思う。



  上條アンプの神髄、トランスリニャーアンプ







  単体では動作するが電圧増幅段を加えると発振してだめである。いまのところお手上げの状態。





   新しい電圧増幅段。作り易さを念頭に置いている。音も期待できる。









(つづく)