HMA9500II





  これを入手したころ、アンプはパイオニアA717、スピーカーはビクターSX‐511だった。入れ替え
て聴いてみると、クオリティはアップしているが音質はA717の延長線上にあるものである。仰天する
ほどの違いはなかったが、それはスピーカーが差を出しにくいものであることが理由であろう。

  このときすでにプリとしてPRA−2000ZRを導入していたので、A717単体ではそこまで良くはない
かもしれない。

  その後金田式オールFETパワーアンプを作って聴いてみると、繊細さ、透明度、低音のしまりなど
すべての要素で優っているのを確認した。小音量で聴くならHMA−9500II を自作で超えるのは簡単
である。

  大音量で勝負すると自作が負ける可能性は高い。このような構造のアンプを自作で作るのは不可能
だし、金田式はそのままでは若干安定度に問題があるからである。

  入力フィルター、ZOBEL、セパレーターを入れ、位相補正を多めにすれば安定度も市販品と同等に
なるが、音は明らかに後退するので自作者は最初から入れない人が多い。使ってみて安全性が確かめ
られた場合はそれで良いと思う。

  音まで市販品と同等になってしまっては元も子もない。中国の故事にでもありそうな事態になる。
  
  積分の計

  大意 : 発振をおそれNFBを掛ける前に増幅器を積分器にする。

  これなどはアメリカで実際に起こった事実である。確かに超安定にはなるが、NFBの本来の意味
からずれたものになることは否定できない。

  勿論HMA9500IIはワイドラーではない。セパレーターを変形させ微妙に位相補正するくらい神経質な
アンプなのである。