YAMAHA TIFFANY-7

まずアンプ部を調べて行く。アンプ部の型番はAST−R7となっている。出力インピーダンスは-1.2Ω、
負性インピーダンスアンプである。

周波数特性はこのように120Hzでローブーストしてある。従って、MFB-20で速度特性
を見ると、Qの低下とローブーストの両方の効果が現れる。

これを見ると100Hzで速度特性がかなりフラットになっている。

このように立ち上がり、波形収束にかなりの違いが現れている。
次にスピーカーについて見る。
このようなバスレフである。樹脂モールドなので密閉性は高い。吸音材もはいってなさそうである。

ダクトをふさいで密閉にして調べる。

Qts=1.11となっていることより、このシステムでは負性度が全然足りていないことがわかる。
Q=0.7のものを負性インピーダンスアンプで0.57にまで下げると理想的なものができるのだが、
そこはコンセプトの違いなのだろう。
黒線:バスレフ動作

ダクトの共鳴周波数は70Hzくらいかと思う。音のきれよりもワイドレンジを狙ったシステム
であることがわかる。
電流・電圧解析
電流も電圧も実際のボイスコイルの動きを表わすものではなく、ボイスコイルの動き(=速度特性)
の影のような存在でしかないが、そのふるまいから本体をかなり想像できる。
電流を信号に忠実に流す電流アンプこそ正しいアンプであるという主張があるがそれはひどいあやまり
か、故意に前提条件を無視しているかのどちらかである。たしかにエネルギーだけは信号どおりに消費して
いるが、ボイスコイルはfs共振によりめちゃくちゃに動くだけである。こういった系では電圧制御が次善の策
であり、速度制御が最善の策になるのである。


電磁制動アンプと比べると違いはそれなりにあるがMFBの効きが弱い。
参考

本格的に電流正帰還を効かせると(強力磁気回路+負性インピーダンス)、信号カットオフ後に
電流と電圧が同相で動くようすが観察される。これが速度型MFBの動作なのである。
音楽を聴いてみると、やはり甘口であるが情報量が多く、ワイドレンジだが破綻が少ない印象
がある。