新型ヘッドホンアンプHA−3

 今度のはボリューム付。



  回路はSR−71A風のもの。



  パワーダイレクトスイッチを装備している。最初はパワーダイレクトで楽しみ、
電池が消耗してくるとオフにすると良い。

  もし音に相違がなければ安全のためずっとオフにしておく。




  このような回路で音がよいアンプができるか?という話は私の論では残念ながら無理という
ことになっている。理由は以下のとおり。

  1 終段バイポーラのダイヤモンドバッファの直線性が悪い。

  2 電圧増幅段では音質は劣化しないと書いたが、パワーアンプの電圧増幅段にオペアンプ
    を使うのはやはりだめ。
(直線性の良い終段に少ないNFBをかけるのが基本である。)


  今回は趣味のアンプ作りなのである。


  バッファ単体での歪率を調べる。


  この辺まで作っておいて測定する。



  アイドリングが少ないときのダイアモンドバッファの特性とも違うし・・・、電源が悪いときのコンプリバッファ
の特性に似ているみたい。あとは電流リミッタとか。

  SN比はよさそう。


  再現性について検討してみた。

 1 大容量ACアダプターでやっても同じ。

 2 ロットを変えても同じ。

 3 基板には±電圧が来ている。出力オフセットは9mV。

 4 波形をみても検波されている様子はない。

  あとは放熱板をいれてみてどうかくらいしか残っていない。



  Wide BWモードで動作させた。まあこれなら使える。






  100Ωを採用。


  基板完成  タンタルの代わりにOSコンを使った。

  OPA2604を採用。理由は不明だがこれだと三次歪が少なくなる。




  聴いてみた。まだ硬質だが四天王の一角に入れそうな音だ。



  電気二重層コンデンサー100万μFを投入。電圧は±4.5Vに下げる。
この改造で音はやわらかさを獲得した。







  聴いた感じだと、

  SITヘッドホンアンプポータブル > 2N7000 ≧ HA−3 > Fireye 1 + 外部ボリューム > E5

  となりHA−3は四天王の上位に入ってくる。


今後の課題

  バッファを4パラにして歪を減じてから、NFBを減らすのがさらなる音質改善手段だが、4パラだと
終段に8000円投ずることになりSIT2ペア3780円と比較するといささか酔狂な所業だ。

  NFBを減らす方法はディスクリートで組むか、オペアンプの多重帰還という方法がある。

  ディスクリートの参考例


  バッファに手をつけないでNFBだけ減らすというのは素人が陥りやすい陥穽である。


  この状態で毎日聴いているが、聴いていて楽しい。まずいことにSITヘッドホンアンプとの差が僅少
になってきた。電気二重層コンデンサーの御利益が多大なのか。