完全アンプ
1998年6月に製作した回路である。ずいぶん古のような感じがするが、まだ22年しか経っていない。

NECの2SC2987A/2SA1227Aはいい石だが今回はサンケンのLAPTで製作する。アイドリングは
500mAくらいはいけるだろう。



○印のところを見ると、終段が発生する歪みはやはりわずかだという事がわかる。盛大に出ている三次歪みは初段差動アンプを目一杯使って
終段をドライブさせているためと思われる。差動アンプは超高利得でNFBをかけるというオペアンプ的動作をさせることによって真価を発揮する
のである。
二次歪みについてはまた別のアンプで論じたいが、おそらくシングルアンプである事が原因と思われる。
終段素子の直線性を引き出すという当初の目的は達成されているのではないだろうか。
差動アンプに2N7000を採用する。これで直線性が随分良くなるだろう。



三次歪みがこのくらい改善する。

東芝の2SA1943をカスコードにして5Vで動作させてみる。この特性図の通りならば素晴らしいものになりそう。

このように終段をカスコードにしている。



アイドリングが250mAに激減し、歪みも大きいようだ。これは良くなかった。
アイドリングを500mAくらいにして完成させた。メインシステムで聴いている。

これまで聴いてきた完全アンプの音だった。甘口でフォーカスが微細という特徴がある。
最終回路

シミュレーターではどうなるか見た。



実物のアンプと比べるとよく似ている。

シミュレーターではノイズが現れないので実物のアンプのノイズをグラフに書き込んでいる。