与太左衛門 V  (ZDR アンプ)

1  ZDRアンプ一号機

2  ZDRアンプ二号機

3 番外 ZDRヘッドホンアンプ




ZDRアンプ一号機

  ともあれ、ZDRモジュールの原理図を目標に作ってゆくことに・・・。わざわざドライバー段を
設けたのは、勿論ここをZDR化するためである。

  最初は何の変哲も無いNFBアンプをさらっと作ってみる。



  このような回路で作って音はちゃんとでた。アイドリングは50mAで安定、オフセットは50mV
と無調整にしては優秀である。念のためMy Speakerで8Ω負荷特性を見る。



   あれれれれっ。これはおかしいなと思い、カップリングなどに電解コンを3個投入。




  低域時定数は正常化したが、高域がまだ落ちている。ドライバーの出力がオープンなので、
出力と直結する。



  関係なかったようである。結局帰還路の100pが大きすぎたためと気づいたので30pに変更。



  少々ハイ落ちに見えるが、これなら別にかまわない。サインスイープで見ておく。



  完成NFB回路。+入力を10kでアースに落とせば怪しげなカップリングコンを省けるかも
しれない。






 終段無帰還回路



  終段無帰還にするとオフセットが0.2Vくらいでるので、調整VRを挿入した。これで0.05Vにできる。

  出力段


  2次歪みと3次歪みが出ている。

  ドライバー段


  レベルが若干大きい。出力段ほど大きなひずみは無い。

  結局ZDRとは終段で発生する歪みを、これを参照してなんとかしようとするものであることが
わかる。ということは、ドライバー段の歪みはネグレクトしているし、電圧増幅段はそちらはそちらで
なんとかせよと言っているわけである。ここにD−NFBを使うのもなんなのでNFBで済ませておく。

  ZDRは決して夢のアンプではない。問題の多いアンプだと思う。






 今回目標とする回路



   出力段とドライバー段の差信号をつくり、電流合成で戻す。検出ポイント以前で合成するのが、
ZDRの特徴である。

  歪み信号の反転信号なので、100%戻さなくても歪み低減作用はある。100%以上戻すと負性
インピーダンスアンプになるという話があるが、これは電圧正帰還なのでにわかには信じられない話
である。

Topに戻る


 ZDRアンプ2号機

 実はZDRは、このような3つの入力があるゲイン1のミキサーがあれば簡単に実現する。



  実際に作ってみる。








  ZDRとして動作しているようである。


  オペアンプで構成してみる。

  正しいかどうか論理テストを行って動作を確認しておく。








  これもうまくいっているようである。


  実回路でも確かめてみる。




  これだと電圧の利用効率がかなり良い。


   この方式でゆくことに決めたので、0V入力の無帰還バッファを作ってみた。





  とてもいい感じに二次歪がでている。



  あとは4559あたりで論理モジュールを組んでみるだけである。




  大体完成



  終段無帰還


    ZDR


   無調整だが2次歪みが14.4dBの改善をみた。歪みが消えるかと想像していたがそうでも
ないようだ。こういった歪み打ち消し機構では、よく調整された場合NFBと同程度の改善が見られ
るというのが印象としてある。無調整だとこの程度なのであろう。


最終回路


  VR1、VR2は最初は中間にしておく。VR1でA点を切り離した状態で観測し歪み信号のみとする。



  つぎに全部結線して8Ω負荷出力を歪み最小になるようVR2を調整する。



   実際にこのようにできてしまった。






  出力インピーダンス 0Ω  (ZDR前 1.98Ω)

  音は鮮烈な無帰還の音をそのまま耳にやさしくした感じのもので、クリアーさにおいては
NFBアンプとは別物であることがわかる。

2005.8.1

Topに戻る